外の世界の話を聞かせて
著者:江國香織
南天文庫には、外とは違う時間が流れている──。
私設図書館。元公民館の空き家。斎場。夜の飲食店。インドネシアの農園。
いつの時代も、「隙間の場所」では物語が生まれる。
時間と場所を超えて重なり、織り上げられてゆく人の生に静かに耳を傾ける、珠玉の群像劇。
私設図書館・南天文庫。高校一年生の陽日は、幼い頃からここに通い続けている。他の子供たちが帰ったあと、運営のあやめさんと話すようになったのはいつからだろう。あやめさんは陽日にときどきこう言う――「外の世界のことを話して」。
日々の出来事をあやめさんに伝える一方で、陽日はあやめさんが子供だったころの話を集めてもいる。なんでも、「ピンクの家」と呼ばれたガード下の元公民館に、三組の夫婦と五人の子供たちが身を寄せ合い不法に暮らしていたらしく……。
私設図書館。元公民館の空き家。斎場。夜の飲食店。インドネシアの農園。
いつの時代も、「隙間の場所」では物語が生まれる。
時間と場所を超えて重なり、織り上げられてゆく人の生に静かに耳を傾ける、珠玉の群像劇。
私設図書館・南天文庫。高校一年生の陽日は、幼い頃からここに通い続けている。他の子供たちが帰ったあと、運営のあやめさんと話すようになったのはいつからだろう。あやめさんは陽日にときどきこう言う――「外の世界のことを話して」。
日々の出来事をあやめさんに伝える一方で、陽日はあやめさんが子供だったころの話を集めてもいる。なんでも、「ピンクの家」と呼ばれたガード下の元公民館に、三組の夫婦と五人の子供たちが身を寄せ合い不法に暮らしていたらしく……。