すばる 2025年12月号
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「すばる」から生まれた本
文学賞
特集
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『恋恋往時』刊行記念対談 温又柔×成田龍一
長らく歴史学の側から戦後の日本をとらえ直し続けてきた成田龍一さんは、温又柔さんの作品からたくさんのことを教わり続けていると語る。学者が常に対峙してきたものの解き得なかった問題に、文学にしか可能ではない方法で光をあてるのが温さんの小説だというのだ。日本語が話される空間にある見えざる権力関係。日本人である「私たち」を国家としての日本に縛り付ける「しがらみ」。その正体を成田さんは、台湾に生まれ、日本語の世界で育った温又柔さんの小説を通してどのように見つめるのか。現代を代表する歴史学者と小説家による、「戦後日本」を解きほぐす対談が行われた。
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『百日と無限の夜』刊行記念対談 谷崎由依×中村佑子
切迫早産で入院を余儀なくされた百日間と、その前後の日々を、時空を超える大胆なスケールで描いた新刊小説『百日と無限の夜』。その著者である谷崎由依さんと、著書に『マザリング 性別を超えて〈他者〉をケアする』などがある中村佑子さんは、ともに、女性の生をめぐる言葉にしがたい事柄をなんとか言葉にしようと模索されてきました。お二人は今回が初対面ながら、これまでずっとお互いの著作を読んで響き合うものを感じてこられたそう。産むとは、母とは、一体どういうことなのか。ご自身の体験も織り交ぜながら、今言葉になることを語っていただきました。
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『きみを愛ちゃん』刊行記念インタビュー 最果タヒ
最果さんがキャラクターについて書こうと思った理由、書いていて考えたことなど、執筆の舞台裏をお聞きしました。
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『情熱』刊行記念対談 桜木紫乃×大竹まこと
桜木紫乃さんの新作短編集『情熱』では、六十歳前後と思しき男女の内面――戸惑いや覚悟が細やかに描かれている。収録作の「ひも」は、大竹まことさんとの対話で「老人の恋」というお題が出され、作品世界を広げていったもの。常に桜木さんの創作意欲を刺激する大竹まことさんを対談のお相手に、創作について、また人生の後半に入った男女の幸福について語っていただいた。







