ひと 2008/5月号 池田成志
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池田成志 氏

 午後七時。池田成志は、西新宿のカフェに腰を落ち着けると、まずはビールで喉を潤した。自ら演出も手掛ける作品『49日後…』の稽古を終えたばかり。公演はひと月後に迫っている(四月十二日〜五月六日 パルコ劇場)。家族に見放され、たったひとりでひっそりと亡くなっていった死者の嘆きを、遺族に代わって慰める、自称「浄め屋」たちのストーリー。自身が演出を手掛け、出演もする作品としては四作目となる。

「立ち稽古をすると、やっぱり違うんです。役者が動き出しますから。急ぐ人もいれば、のんびりする人もいる。それまで自分の頭の中だけで動かしていたものに、人が入ってきて、思い通りにならなくなる。僕も役者なので、余計なものを入れたくなるし、余計なものを削りたくもなる……。でも、具体的になってきて、面白い。だから、芝居をやってるんだと思います」

 出演はほかに、古田新太、八嶋智人、松重豊、小田茜。古田氏とは、二○○四年、好評を博した『鈍獣』など多数共演している。

「気心が知れている分、やりやすいところとやりにくいところがありますね。役者って言われたことをただやるだけじゃなくて、自分で考えることが大事だと思うんです。今回のキャストは、説明しなくてもいい、阿吽の呼吸みたいなものがある」

 脚本を担当するのは「ブラックでありながら文学性の高い才能」と評されている若手劇作家の竹内佑だ。

「たたき台から、かなり関わってしまったんで、実は少し反省してるんです。僕があまりにも先を考えすぎたりして。作家にも伝えたいこと、言いたいことがあるだろうし。今、その“言いたいこと待ち”。ちょっと苦いものにしたいという着地点は決まっているんですけど。このもどかしさは、原稿を待つ編集者みたいな状態です(笑)」

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