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ロスト・オン・ザ・ネット

NPR 「ナショナル・パブリック・ラジオ」とは、その名の通り、ラジオ放送局である。翻訳小説を読んでいると、ときどき、「公共放送局」などと翻訳されているしろものである。なんじゃ、これは、と思われたひとも少なくないだろう。ぼくの考えでは、CBSやABCとおなじようにNPRと訳した(?)ほうがいいように思う。「公共放送局」は、まちがいではないが、NHKを「日本放送協会」と訳すようなもので、いまひとつすわりが悪い。

 『ランダムハウス英和大辞典第2版』によると、「ナショナル・パブリック・ラジオ」とはつぎのようなものだ。

 「非営利ラジオ局の全米ネットワーク、資金の一部は公共放送協会 (the Corporation for Public Broadcasting ) を通じて国の予算から出る」

 なんだか、よくわからない。NHKがよくわからないみたいに、よくわからない。そこで、なにかとお世話になっている「ブリタニカ」のサイトにでかけて調べてみたら、すこし見えてきた。

     ……1967年に公共放送法ができて、公共放送協会をつくり、それが1970年にNPRをつくった。NPRは全米各地に散らばる非営利の教育ラジオ局に番組を提供する。そういうラジオ局は、だいたい、FMのダイアルの端っこにある。
     ……NPRの最初の番組は1971年4月19日で、ヴェトナム戦争にかんする上院の審議の模様の生中継。その2週間後から、夕方のニュース番組「オール・シングズ・コンシダード(すべてを考慮すると)」がスタート。1979年から「モーニング・イディション(朝刊)」が加わった。
     ……1980年代になると、NPRは独自に制作した芝居や古典小説の脚色やジャズ・コンサートやクラシック音楽を流すようになった。1983年に資金難から大幅に構造改革。1995年には、政府からのお金はわずか1パーセントになり、財団や企業や個人の寄付と、番組を受け取る各地の放送局からの使用料でまかなうようになった。

 なるほど、1960年代の公民権運動の産物のようだ。まったく、「ブリタニカ」から教わることは多い。ありがたいサイトだ。

 日本でも、NPRの放送は聞けて、かつてのFENであるAFNで、ある時間帯、流している。聞こえてくる歌や声がぎゃんぎゃんとうるさいものでなかったら、まあ、NPRのものだと思ってまちがいないだろう。ニュース番組にしても、NPRのニュースは口調が、ほかのとくらべると、おもしろいくらいだんぜん悠々としている。


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